D23 2026全発表まとめ|パーク・映画・DCL・ゲームと、ディズニーが語らなかったこと
2026年8月14日から16日まで、カリフォルニア州アナハイムで「D23: The Ultimate Disney Fan Event」が開催されました。
D23は、ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、Disney+、ESPN、ナショナルジオグラフィック、ディズニーパーク、Disney Cruise Lineなど、ウォルト・ディズニー・カンパニー全体を横断する公式ファンイベントです。
2026年は、
- 50以上のパネルとショー
- D23史上最大規模の展示フロア
- Honda Centerでの大型プレゼンテーション
- Disney+によるパーク発表のライブ配信
- 世界各地のパーク拡張
- Disney Wish、Disney Believe、新型クルーズ船
- 映画、配信、ゲーム、舞台作品
- Disney Legends授賞式
が3日間に集約されました。
表面的には「大量の新発表があったD23」です。
しかし、発表内容を丁寧に読み解くと、D23 2026の本質は別のところにあります。
それは、ディズニーが新しいものを増やす一方で、Carousel of Progress、Spaceship Earth、Figment、Dreamfinder、旧Space Mountain、イエティといった過去の資産を、再び重要な存在として扱い始めたことです。
同時に、発表の多くは映画IPを利用したアトラクションであり、「EPCOTやTomorrowlandが本来持っていた独自思想はどこまで残るのか」という不安もあります。
この記事では、D23 2026の発表を網羅しながら、良かった点、残念だった点、発表されなかったことまで正直に整理します。
D23とは?「23」の意味
D23の「D」はDisney、「23」はウォルト・ディズニー・カンパニーの創立年である1923年を表しています。
D23は2009年に始まったディズニー公式ファンクラブです。「D23 Expo」と呼ばれていた大型イベントは、現在「D23: The Ultimate Disney Fan Event」という名称になっています。
2026年の会場は二つに分かれていました。
| 会場 | 主な内容 |
|---|---|
| Anaheim Convention Center | 展示、物販、50以上のパネル、アーカイブ、Imagineering、コスプレ |
| Honda Center | 映画・パークの大型発表、Disney Legends授賞式 |
「同じD23の会場」と思いがちですが、両会場は隣接していません。
公式はConvention CenterからHonda Centerへの移動に、保安検査を含めて少なくとも90分を見込むよう案内していました。
これは後述するD23の弱点の一つです。
D23 2026を一言で表すなら「新旧ディズニーの再接続」
2026年のD23では、Villains Land、Marvel、Cars、Monsters, Inc.などの大型IPプロジェクトが並びました。
一方で、長年ディズニーパークを見てきたファンから特に大きな反応を引き出したのは、必ずしも最新映画のアトラクションではありません。
- Dreamfinderの復帰
- Figmentアトラクションの全面刷新
- Expedition Everestのイエティ復活
- Carousel of Progressの更新
- Spaceship Earthの物語改修
- パリ版Space Mountainの原点回帰
- 「Remember… Dreams Come True」の復活
- 初期版「World of Color」の更新復活
など、ディズニーパークの歴史を知る人ほど意味を理解できる発表が目立ちました。
D23 2026は、すべてを新IPへ置き換えるのではなく、既存のディズニー資産を「現代でも使える物語」として再評価したイベントだったのです。
D23 2026ウォルト・ディズニー・ワールド発表
EPCOT|FigmentとDreamfinderが再び共演
D23 2026で最も象徴的だった発表の一つが、EPCOTの「Journey Into Imagination」の全面的な再構成です。
新しいアトラクションにはFigmentだけでなく、Dreamfinderも登場します。
Dreamfinderは、1983年に開業したオリジナル版「Journey Into Imagination」でFigmentを生み出したキャラクターです。
しかし、1998年に初代アトラクションが終了すると、Dreamfinderは表舞台からほぼ姿を消しました。1999年に登場した「Journey Into YOUR Imagination」はファンから厳しい評価を受け、2002年にFigmentが復帰したものの、Dreamfinderは戻りませんでした。
したがって今回の発表は、単なるリニューアルではありません。
約30年にわたって分断されていたFigmentとDreamfinderの関係を、公式が修復する動きです。
良い点は、EPCOT独自のキャラクターと思想を尊重していること。
不安な点は、開業日、ライドシステム、既存施設の閉鎖期間などが発表されていないことです。
「完全な再構成」という言葉は大きいものの、現時点では具体的な設計までは分かりません。
EPCOT|Spaceship Earthが約20年ぶりに更新
Spaceship Earthは、これまでの「人類のコミュニケーションの歴史」から、より広い「人間同士のつながり」を扱う物語へ更新されます。
アトラクションの核である楽観性や、人間が知識を次世代へ伝えるという考えは維持されると説明されています。
良い点は、Spaceship Earthを映画IPへ置き換えず、EPCOTの思想を継続することです。
一方、「コミュニケーション」から「コネクション」へテーマを広げることで、歴史的な具体性が薄くなる可能性があります。
2007年版で削られた未来都市のビジュアルや、過去版にあった劇的な終盤がどう扱われるかは、EPCOTファンにとって重要な確認点です。
Magic Kingdom|Carousel of Progressを更新
2027年晩春から、Jamie Lee CurtisとBryan Cranstonが、Carousel of Progressの母親と父親の声を担当します。
さらに1980年代を舞台とする場面が更新されます。
Carousel of Progressは、ウォルト・ディズニーが直接関与した1964年ニューヨーク万国博覧会由来のアトラクションです。
そのため更新には常に難しさがあります。
保存しすぎれば古びますが、現代化しすぎればウォルト時代のリズムやデザインが失われます。
声優に有名俳優を起用するのは話題性がありますが、Carousel of Progressに必要なのはスターの存在感ではなく、「アメリカの家庭と技術の変化をどう語り直すか」です。
1980年代の新場面が単なる懐古ネタになるのか、最終場面へつながる歴史的な役割を持つのかが評価の分かれ目になります。
Animal Kingdom|Expedition Everestのイエティが復活
Disneyは「イエティを再び動かす」と明言しました。
Expedition Everestの巨大イエティは、2006年の開業直後には大きく腕を振り下ろす動きをしていました。しかし構造上の問題から本来の動作を停止し、長年、ストロボ照明で動いているように見せる「Bモード」で運用されてきました。
ファンの間では「Disco Yeti」と呼ばれるほど有名な未解決案件です。
この発表が重要なのは、Disneyが20年近く残っていた問題を正式に認め、直す意思を示したことです。
ただし、いつ、どのような方法で復活させるのかは発表されていません。
従来と同じ可動範囲で動くのか、新しい軽量機構へ置き換えるのかも不明です。
「イエティ復活」は大ニュースですが、実際の動きを見るまで技術的評価は保留するべきです。
Animal Kingdom|Indiana Jones and the Myth of the Jade Serpent
Tropical Americasに登場するIndiana Jonesアトラクションの正式名称は、「Indiana Jones and the Myth of the Jade Serpent」です。
古代マヤの神殿を舞台に、巨大な蛇や超自然的な危険と遭遇する、パーク独自の物語になります。
Disneylandや東京ディズニーシーのIndiana Jonesと同じ映画場面を再現するのではなく、新しい遺跡と神話を用意する点は高く評価できます。
一方、このエリアの建設によってDinoLand U.S.A.とDINOSAURが失われます。
ライドシステムを活用した実質的な置き換えになる可能性が高く、「新しいIndiana Jonesが良いか」だけでなく、「Animal Kingdomから恐竜というテーマを失ってよいのか」も考える必要があります。
Animal Kingdom|Antonio’s Fiesta de Encanto
Encantoのアトラクションでは、アントニオが魔法のギフトを受け取る日にCasitaを訪れます。
映画に登場していない新しい部屋も用意され、アントニオの動物たち、音楽、魔法を体験するファミリー向けアトラクションになります。
Encantoを選んだこと自体は、南北アメリカを扱うTropical Americasと相性があります。
ただし、Animal Kingdomの根幹は「動物、自然、保全、そして現実と空想の生き物」です。
Encantoが単なる人気映画エリアになるのか、アントニオと動物の関係を通してAnimal Kingdomのテーマへ接続するのかで、ランド全体の説得力が変わります。
Magic Kingdom|Piston PeakのCarsアトラクション
CarsをテーマにしたPiston Peakには、少なくとも二つのアトラクションが登場します。
「Cars Ridge Run Rally」は、山道、雪山、間欠泉などを走る大型ライド。
「Miss Fritter’s Daredevil Spin-Along」は、『Cars 3』のスクールバス、ミス・フリッターを中心としたファミリー向けアトラクションです。
Radiator Springs Racersのコピーではなく、自然公園や荒野を意識した独自設定になっている点は良いところです。
しかし、この工事ではRivers of AmericaやTom Sawyer Island周辺の大規模な変更を伴います。
新しいアトラクションの質だけでなく、Magic Kingdomから水辺、蒸気船、島、視界の抜けが失われる影響も無視できません。
効率や集客力は上がっても、パークの「余白」が減る可能性があります。
Magic Kingdom|Villains Landの本当の中身
Villains Landには、少なくとも二つの大型アトラクションが計画されています。
一つは、マレフィセントの魔法の茨を駆け抜けるスリル型コースター。
もう一つは、Magic Mirrorの神秘的な領域へ入る屋内型アトラクションです。
エリアには「呪われた森」「壊れた願いの井戸」「ヴィランズが奪った闇の魔法」という共通設定が用意されます。
登場が示唆されているヴィランズには、マレフィセント、白雪姫の女王、ハデス、アースラ、ジャファー、クルエラ、フック船長、ドクター・ファシリエなどが含まれます。
面白いのは、一作品専用ランドではないことです。
複数作品のヴィランズを寄せ集めるだけでは、物語の整合性を失います。そこでImagineeringは、「壊れた願いの井戸」と「闇の魔法」を、異なる世界をつなぐ装置として使おうとしています。
これはMarvelのマルチバースとは違う、ディズニー・アニメーション版の共有世界をパーク上に作る試みとも読めます。
最大の問題は、開業年が発表されなかったことです。
模型や詳細な設定は示されましたが、旅行計画に使える時期はまだ分かりません。
Hollywood Studios|Monstropolisは2027年開業
Monsters, Inc.をテーマにしたMonstropolisは2027年に開業予定です。
主な施設は、
- ドア倉庫を舞台にした吊り下げ式コースター
- MikeとSulleyが登場する劇場ショー
- Harryhausen’s
- Archie’s Scare Pig Pizza
- Randy Newmanによる新曲
です。
吊り下げ式コースターは、映画のドア倉庫場面を物理的なライドとして再現するため、IPとライドシステムの関係が明快です。
一方、Muppet*Vision 3Dと周辺エリアを失う代償があります。
新ランドの完成度が高くても、Jim HensonとMuppetsのパーク史をどう保存するかという問題は残ります。
Disneyland Resortの発表
Avengers Campusが2028年に倍増
Disney California Adventureでは、Avengers Campusを二つの新アトラクションで拡張します。
「Avengers Infinity Defense」は、巨大な物理セットと大型映像を組み合わせ、複数世界を巡るアトラクション。
「Stark Flight Lab」は、Stark Industriesの飛行訓練施設を舞台にした体験です。
Robert Downey Jr.、Anthony Mackie、Brie Larsonらが映画と同じ役で出演します。
2024年までの発表と比べて、2026年は開業年が2028年と明示され、物理セットを使うことも説明されました。
ただしAvengers Campusは、2020年の開業以来、当初構想された大型アトラクションを長く欠いた状態でした。
そのため「新発表」というより、ようやく未完成ランドを完成へ近づける計画と見る方が正確です。
世界初のCocoライド
Disney California Adventureには、世界初のCocoアトラクションが登場します。
ボートに乗り、ミゲルの記憶を通して死者の国へ向かいます。
物語は映画第1作の1年後。待ち列には、ヘクター・リヴェラの音楽を扱う「casa museo」が設けられます。
注目点は、続編『Coco 2』の要素も参照しながら、映画1作目の後日談を描くことです。
パークの物語が映画の再現にとどまらず、映画と映画の間を埋める正史的な役割を持つ可能性があります。
「Remember… Dreams Come True」などが復活
2027年2月から、Disneylandでは「Remember… Dreams Come True」の更新版が復活。
Disney California Adventureでは初代「World of Color」の更新版が始まります。
さらに2027年夏には「Magic Happens」パレードが戻ります。
新作を投入するだけでなく、評価の高かったエンターテインメントを再利用する動きです。
ファンにはうれしい一方、完全新作のナイトショーを作るより、過去資産を更新してコストを抑える判断とも考えられます。
DisneylandのTomorrowlandを全面再構成
Disneyland ParkのTomorrowlandは再構成されます。
これは大きな発表ですが、D23 2026では具体的なアトラクション構成、工事開始日、完成時期まで発表されませんでした。
Tomorrowlandは、未来を描いた瞬間から古くなるという宿命を持つランドです。
映画IPの集合エリアにするのか、科学、都市、宇宙、環境といった思想を再び中心にするのかが重要です。
「リイマジニング」という言葉だけでは、まだ評価できません。
東京ディズニーリゾートの発表
Space Mountain Earthrise
東京ディズニーランドの新Space Mountainは、「Space Mountain Earthrise」という名称になります。
宇宙から地球を見る体験を通して、地球の美しさや未来への希望を描くアトラクションです。
単に旧Space Mountainを大型化するのではなく、新Tomorrowland全体の思想を代表する施設として設計されています。
注目したいのは「Earthrise」という言葉です。
これは、宇宙から昇る地球を見る有名なイメージと結びつきます。宇宙飛行そのものより、「地球を外側から見て価値を再認識する」体験へ軸を移しているのです。
EPCOTのSpaceship Earthが人間のつながりを扱う一方、東京のSpace Mountainは地球全体を扱います。
2026年のDisneyは、「未来」を機械やスピードだけでなく、地球と人間の関係として語り直そうとしているように見えます。
Sugar Rush: Sweet Rescue
『シュガー・ラッシュ』をテーマにした新アトラクションでは、ラルフとヴァネロペとともに、暴走したシュガーバグを元の姿へ戻します。
既存のBuzz Lightyear’s Astro Blastersを置き換える計画です。
映画のゲーム世界とインタラクティブ型ライドの相性は良い一方、東京版Buzz Lightyearという長年の人気アトラクションを失うことになります。
香港・上海・パリの発表
香港ディズニーランド|Avengers Pavilion
Stark Expoに、新しいAvengers Pavilionが登場します。
設定はAvengers Research Testing Labs。Peter Parker、新技術、Quinjetの着陸施設などが組み込まれます。
香港はIron Man Experience、Ant-Man and The Wasp: Nano Battle!に続き、Marvel拠点として拡張されます。
米国パークのAvengers Campusをそのまま移植せず、香港独自のStark Expo世界を拡大している点が重要です。
上海ディズニーランド|Spider-Man専用ランド
上海には、ディズニーパーク初となるSpider-Man専用ランドが建設されます。
新コースター、Spider-Bots、W.E.B.の研究開発施設が含まれます。
一人のヒーローだけでランドを成立させるのは大胆です。
Spider-Manの知名度は十分ですが、アトラクション、ショップ、レストランすべてをSpider-Man世界だけで長期運営できるかは未知数です。
上海はZootopiaに続き、世界初の専用ランドを導入する実験的な立場になっています。
Disneyland Paris|Space Mountainが原点回帰
Disneyland ParisのHyperspace Mountainは、ジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』に着想を得た「Space Mountain: De la Terre à la Lune」へ戻ります。
名称だけでなく、オリジナル楽曲と初期版の世界観を取り戻す更新です。
これは、ディズニーパークの歴史を知るファンにとって、特に重要な発表です。
パリのSpace MountainはもともとDiscoveryland全体のレトロフューチャー思想を完成させる中心施設でした。しかしStar Wars仕様のHyperspace Mountainになることで、建物と中身の物語が一致しない状態が続いていました。
今回の変更は、人気IPを外し、建築と物語の整合性を回復させる珍しい例です。
Disneyland Paris|The Lion Kingアトラクション
Disney Adventure Worldには、世界初のThe Lion King大型アトラクションが登場します。
シンバの幼少期から王になるまでをプライドランドで体験する構成です。
ライオン・キングは長年パークでショー化されてきましたが、大型ライドとしての常設展開は意外なほど少なく、今回が初となります。
Disney Cruise Lineの発表
Disney Believeは2027年就航
Wishクラス4隻目となるDisney Believeは2027年に就航します。
テーマは「promise and possibilities」。
- 船首:ティンカー・ベル
- 船尾:バズ・ライトイヤーとウッディ
- Grand Hall:モアナ
というデザインです。
Wishが「願い」、Treasureが「冒険」、Destinyが「ヒーローとヴィラン」、Believeが「信じる力」を扱うことで、同型船でもテーマを分けています。
一方、基本船体がWishクラスである以上、Grand Hall、回遊性、エレベーター配置、成人専用エリアなど、Disney Wishで評価が分かれた設計がどこまで改善されるかは不明です。
テーマだけでなく、Wishクラスの運用経験が船内設計へ反映されるかを確認する必要があります。
2029年に新クラスの船が登場
2029年から、Disney Cruise Lineに新しいクラスの船が加わります。
大きさは、Magic/Wonderなどのクラシック船と、Wishクラスなどの新世代船の中間と説明されています。
この「中間サイズ」は非常に重要です。
大型船は施設を増やせますが、入港できる港が限られます。中型船なら、港湾設備の小さい都市や、これまでDCLが入りにくかった航路へ展開できます。
つまり新クラスの価値は、船内施設より寄港地の自由度にある可能性があります。
DCLが13隻体制へ向かうなか、すべてを巨大船にしない判断は合理的です。
映画・アニメーションの主な発表
Walt Disney Animation Studios
| 作品 | 発表内容 |
|---|---|
| Frozen 3 | 2027年11月24日公開。エルサに匹敵する力を持つ新ヴィランの存在を示唆 |
| Zootopia 3 | 初期開発を正式発表。公開時期未定 |
| Clay(仮題) | 魔法の森を舞台にした完全新作。2028年公開 |
| Hexed | 2026年11月25日公開。Jodie Fosterが敵役Queen Celeste |
| Oswald | 実写とアニメのハイブリッドシリーズ。2027年2月17日Disney+配信 |
| Lilo & Stitch 2 | 2028年5月26日公開 |
| Tangled実写版 | 2028年3月31日公開 |
なかでも興味深いのはOswaldです。
オズワルドはミッキーマウス以前にウォルト・ディズニーが生み出したキャラクターですが、権利を失ったことがミッキー誕生へつながりました。Disneyは2006年に権利を取り戻しています。
新シリーズでは、1920年代から隠れていたオズワルドが現代へ現れるという、キャラクター自身の歴史を物語へ組み込んだ設定です。
古いキャラクターを現代風に描き直すだけでなく、「忘れられていた存在」という現実の歴史まで利用しています。
Pixar
| 作品 | 公開予定 |
|---|---|
| Gatto | 2027年3月5日 |
| Incredibles 3 | 2028年6月16日 |
| Ghost Market | 2028年3月 |
| Coco 2 | 2029年11月 |
Ghost Marketは、ハワイ・オアフ島のノースショアにある、行き場を失った魂のための食堂が舞台です。
続編作品が増えるなか、完全新作が発表された点は評価できます。
一方、Incredibles、Coco、Toy Storyなど既存ブランドへの依存も続いています。
Pixarが「オリジナル作品を作る会社」であり続けるのか、「成功した世界を拡張する会社」へ変わるのかは、今後も注視すべき点です。
Marvel Studios
- VisionQuest:2026年10月14日Disney+配信
- Avengers: Doomsday:2026年12月18日公開
- 新X-Men映画:2028年5月5日公開
- Marvel’s Wolverine:PlayStation 5向け
新X-Menでは、
- Jean Grey:Sadie Sink
- Cyclops:Kit Connor
- Professor X:Christopher Abbott
- Emma Frost:Samara Weaving
- Rogue:Inde Navarrette
- Storm:Maya Boyd
- Nathaniel Milbury:Adam Driver
というキャストが発表されました。
D23でキャストを一度に並べる手法は、過去のMarvel大型発表を思わせます。
ただし、Marvelは公開スケジュール変更を繰り返してきました。2028年という日付は公式発表ですが、制作状況に応じて変わる可能性はあります。
Star Wars
- 『Ahsoka』シーズン2:2027年1月20日Disney+配信
- 『Star Wars: Starfighter』:2027年5月28日公開
- Ryan Gosling、Amy Adams、Matt Smith、Mia Gothらが出演
Starfighterは既存サーガの有名人物だけに頼らず、新しい主人公を中心とする劇場作品です。
一方、D23 2026ではStar Warsのパーク大型新規発表は目立ちませんでした。
映画・シリーズの立て直しを優先し、Galaxy’s Edgeの次の大規模パーク展開はまだ示さなかったと考えられます。
ゲーム発表は脇役ではなくなった
D23 2026では、ゲームが映画やパークと並ぶ「ディズニー世界への入口」として扱われました。
主な発表は、
- KINGDOM HEARTS IVは2027年後半発売予定
- Cocoをテーマにしたワールドが登場
- KINGDOM HEARTSの新作アニメシリーズ
- Marvel’s Wolverine
- Epic Gamesとの協業拡大
- Disney Dreamlight Valleyへの新展開
です。
特にKINGDOM HEARTSは2027年に25周年を迎えます。
ゲーム第4作とアニメシリーズを同時展開することで、長年のファンだけでなく、ゲームをプレイしていない層にも世界観を広げる狙いが見えます。
ただし、KINGDOM HEARTSの魅力は複雑な設定とゲーム固有の物語です。新アニメが入口を広げる一方、作品を分かりやすくしすぎることで独特の濃さを失う可能性もあります。
Disney Legends 2026
2026年のDisney Legendsには、次の人物が選ばれました。
- Chris Berman
- Jerry Bruckheimer
- Susan Egan
- Eric Goldberg
- Anne Hathaway
- Bob Iger
- Kim Irvine
- Dwayne Johnson
- Jonas Brothers
- Lin-Manuel Miranda
- Alan Tudyk
Disney Legendsは単なる人気投票ではありません。
映画俳優だけでなく、アニメーター、Imagineer、経営者、音楽家、スポーツ放送関係者など、Disneyという企業を構成する幅広い分野から選ばれます。
特に注目したいのは、Eric GoldbergとKim Irvineです。
Eric Goldbergは『アラジン』のジーニー、『ポカホンタス』、手描きアニメーションの保存と復興に貢献。
Kim IrvineはImagineerとしてDisneylandのデザインや色彩、内装を長年支え、Haunted MansionのMadame Leotaを演じたLeota Toombsの娘でもあります。
派手なスターだけでなく、ディズニーの見た目と動きを実際に作ってきた人々が同じ「Legend」として扱われることに、この制度の価値があります。
会場でしか分からないD23の面白さ
D23は新発表を聞くだけのイベントではありません。
2026年の展示フロアには、
- Imagineering: Horizons
- Walt Disney Archives
- Disney Animation
- Pixar
- Marvel
- Star Wars
- Disney+/Hulu
- Lorcana
- Pin Trading
- Mickey’s of Glendale
- 限定オークション
- Mousequeradeコスチューム大会
などが集まりました。
Imagineeringの展示では模型、コンセプトアート、Audio-Animatronics、素材、ライド開発資料を近距離で確認できます。
発表ステージの映像より、模型の建物配置や高低差を見る方が、プロジェクトの実像を理解できることもあります。
Mickey’s of Glendaleは、通常はImagineering関係者向けのキャンパスストアです。D23では一般ファンが限定商品を購入できます。
ただし、限定品を買うことがD23参加の中心になると、一日の大半を待ち列で失う危険があります。
D23 2026の良かった点
1.Disney+でパーク発表をライブ配信した
これまでD23の大型発表は、会場参加者を優先し、外部には断片的な情報しか出ないことがありました。
2026年は「Horizons: A Carousel of Progress」をDisney+でライブ配信。海外ファンも同時に視聴できました。
高額なチケットや渡航費を払った現地参加者の特別感と、世界中のファンへの情報公開を両立しようとした点は評価できます。
2.「発表だけ」から「実物を見せる」方向へ進んだ
Villains Land、Tropical Americas、Avengers Campusなどでは、設定、模型、アトラクション名、登場人物が以前より具体化しました。
過去のD23では、壮大なコンセプトアートを発表した後、計画が変更・縮小されることがありました。
2026年は、2024年に発表した計画の進捗報告が中心になっており、実現可能性は以前より高く見えます。
3.古いパーク資産を軽視しなかった
Dreamfinder、Figment、イエティ、Carousel of Progress、パリ版Space Mountainなど、長年のファンが大切にしてきたものが主要発表に含まれました。
「新作映画だけが価値あるIPではない」とDisney自身が認めた点は大きな変化です。
4.米国以外のパーク発表が強かった
東京、上海、香港、パリの発表が、米国パークの付録ではなく、それぞれ独立した大型プロジェクトとして扱われました。
Disneyのパーク事業がフロリダとカリフォルニアだけではないことを、明確に示しています。
D23 2026の悪かった点・残念だった点
1.開業日がない大型発表が多い
Villains Land、Tomorrowland、Figment、Spaceship Earth、イエティなど、注目度の高い計画ほど具体的な日程がありません。
「いつ行けば体験できるか」を知りたい旅行者にとって、発表は魅力的でも予約判断には使えません。
D23は夢を見せるイベントですが、数年に一度しかアメリカへ行けない日本人には、完成年の方が重要です。
2.新発表より、既発表プロジェクトの追加説明が多かった
D23 2024ですでに発表されていたVillains Land、Cars、Tropical Americas、Monstropolis、Avengers Campusなどが、2026年のプレゼンテーションでも大きな割合を占めました。
これは計画が進んでいる安心材料です。
一方、「まったく予想していなかった新ランド」という衝撃は弱めでした。
量は多いものの、完全なサプライズの数は見た目ほど多くありません。
3.IP依存はさらに強くなった
Cars、Encanto、Indiana Jones、Monsters, Inc.、Coco、Marvel、Spider-Man、The Lion King、Wreck-It Ralph。
新アトラクションの多くは映画やキャラクターIPを基盤にしています。
人気作品を利用すれば、ゲストは体験内容を理解しやすくなります。
しかし、Pirates of the Caribbean、Haunted Mansion、Spaceship Earth、Expedition Everestのように、パークから生まれた新しい物語は減っています。
D23 2026は過去資産を尊重した一方、未来の「パーク発オリジナル作品」をほとんど示しませんでした。
4.新施設の裏で失われるものへの説明が少ない
Disneyの公式発表は、新しい施設の魅力を中心に語ります。
しかし実際には、
- DinoLand U.S.A.とDINOSAUR
- Rivers of AmericaとTom Sawyer Island
- Muppet*Vision 3D周辺
- Buzz Lightyear’s Astro Blasters
- Hyperspace Mountain
などが、変更または終了します。
新しいものの評価と、失われるものの価値は別問題です。
特にパークの景観、静かな場所、歴史的施設は、アトラクション数だけでは測れません。
5.チケット構造が複雑で高額
2026年の通常Fan Passは、
- 午後のみ:49ドル
- 1日:99ドル
- 3日:297ドル
でした。
Honda Centerの席を含むUltimate Fan Passには複数の価格帯があり、最上位の3日間Preferred Passは1,299ドルから。さらにサービス料や配送手数料が加わります。
高額チケットを購入しても、Convention Center内の一部パネル、サイン、物販はRandom Selection Processの対象です。
つまり「高いチケットを買えば、すべて確実に体験できる」イベントではありません。
6.会場が二つに分かれている
Convention CenterからHonda Centerへの移動には、公式でも90分以上を見込むよう案内されました。
大型発表を見るためには、展示フロアや午後のパネルを早めに切り上げる必要があります。
D23では、常に「何を見るか」だけでなく「何を諦めるか」も重要になります。
7.華やかな会場の外で労働問題が可視化された
D23開催中、Disneyland Resortのホテル従業員が賃金や労働条件をめぐって抗議活動を行いました。
会場内ではDisneyの創造性、未来、ファンとのつながりが語られる一方、会場外では調理、清掃、客室整備などを担うCast Memberが待遇改善を求めていました。
これはイベント内容そのものとは別ですが、Disneyの「魔法」が多くの現場労働によって支えられていることを考えるうえで無視できません。
会社側の発表だけでなく、従業員側の主張も確認し、今後の交渉を見る必要があります。
D23 2026で発表されなかったこと
「発表されなかったもの」を、発表済みのように書かないことも重要です。
2026年8月時点で、次の情報は確定していません。
- Villains Landの正式な開業年
- Disneyland Tomorrowlandの工事・完成時期
- Figment新アトラクションの開業日
- Spaceship Earthの休止期間と再開日
- Expedition Everestのイエティ復活時期
- Walt Disney Worldの第5パーク
- DVCの大規模な新リゾート計画
- Star Warsの新しい大型パークランド
- Abu Dhabiパークの正式開業日
- 2029年新型DCL船の船名と母港
特に「第5パーク発表」という予想は実現しませんでした。
Disneyは既存4パークの大規模拡張へ投資しており、現段階では新パークを増やすより、既存パークの収容力と滞在価値を上げる方針が明確です。
D23 2026から見える新CEO体制
2026年3月、Bob IgerからJosh D’AmaroへCEOが交代しました。
D23 2026は、Josh D’AmaroがCEOとして参加する最初のUltimate Fan Eventです。
Bob IgerがD23 2026でDisney Legendとなったことも象徴的でした。
つまりこのイベントは、
- Iger時代をDisneyの歴史として顕彰する
- D’Amaro体制の未来を発表する
という、経営上の世代交代を演出する場でもありました。
D’AmaroはDisney Parks出身です。
そのため今後は、映画を作ってパークへ展開する一方向のモデルだけでなく、パーク、クルーズ、ゲーム、配信を同時に動かす戦略が強くなる可能性があります。
D23 2026でパーク発表がDisney+配信され、ゲームが「物語への新しい入口」と位置づけられたのも、この統合戦略と一致します。
D23 Asiaが2027年にシンガポールへ
次の重要な動きは、2027年6月25日から27日にシンガポールのMarina Bay Sandsで開催される「D23 Asia」です。
Disney Adventureのシンガポール就航、上海と香港のMarvel拡張、東京ディズニーリゾートの大型計画に続き、D23そのものがアジアへ進出します。
これは単なる地方版イベントではありません。
アジアのファンを、米国発表の受け手ではなく、Disneyの主要市場として扱う動きです。
日本から参加する場合、アナハイムよりシンガポールの方が航空券、飛行時間、時差の面で現実的です。
D23 AsiaでDisney Adventureやアジア各パークの独自発表が行われる可能性はありますが、現時点で内容は発表されていません。
結論|D23 2026は派手な未来発表より「修復」が面白かった
D23 2026には、Villains Land、Marvel、Cars、Monstropolis、Coco、Spider-Man、The Lion King、Disney Believeなど、大型プロジェクトが並びました。
しかし、今回の発表で注目すべき核心は、規模の大きさだけではありません。
- DreamfinderをFigmentの隣へ戻す
- 長年動かなかったイエティを復活させる
- Carousel of Progressを存続させながら更新する
- Spaceship EarthをIP化せず進化させる
- パリのSpace MountainからStar Warsを外し、ジュール・ヴェルヌへ戻す
- Oswaldの「忘れられていた歴史」そのものを作品化する
D23 2026では、Disneyが過去の判断によって壊れたり、分断されたり、曖昧になったものを修復しようとしています。
これは非常に良い変化です。
一方で、新しいアトラクションの多くは既存映画IPに依存し、開業日が示されない計画も多く、歴史的な施設や風景が失われることへの説明は十分ではありませんでした。
したがってD23 2026を「全部すごかった」と評価するのも、「新発表が少なかった」と切り捨てるのも正確ではありません。
これは、新CEO体制のもとでディズニーが、
過去を修復しながら、既存IPを使って世界規模の拡張へ進む
ことを示したD23でした。
未来のパークが本当に良くなるかは、コンセプトアートの美しさではなく、完成した施設が元のパークの思想とつながっているかで判断する必要があります。
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